前腕の回内、回外をしすぎで方形回内筋部の炎症がみられる方のご来院がありました。

 

円回内筋(えんかいないきん)症候群とは、手にとって最も重要な神経である正中神経が肘(ひじ)関節周辺で圧迫されることにより、肘関節の前面の筋肉に痛みが生じたり、手のしびれが生じたりする疾患。回内筋症候群とも呼ばれます。

円回内筋は、上腕の骨である上腕骨と尺骨(しゃくこつ)、橈骨(とうこつ)という計3つの骨をつなぎ、肘から前腕の中間までに付いている筋肉で、主に肘を曲げたり、腕を内側に回転したり、ひねったりする際に使われます。

正中神経は、肘の辺りの上腕骨内側上顆(じょうか)の下方2・5から4センチを通ってから、上腕骨頭と尺骨頭の間にある円回内筋の2つの筋繊維の間を通ります。この部位で、正中神経が圧迫されることがよく起こります。

ちなみに、正中神経は円回内筋を横断するように通り過ぎると、浅指屈筋と深指屈筋という指を曲げる筋肉の間を通り、手首の辺りを通過します。その後、手の関節や指まで伸びます。

円回内筋症候群の症状は、正中神経が圧迫を受けている部位より手に近い部位に現れ、肘関節の前面の筋肉の痛みが生じ、手のしびれや知覚障害が生じます。

 

特にドライバーを頻繁に絞める方、製品の検査で裏や表をひっくり返すような仕事の方は注意してくださいね。